Live Trane: The European Tours

Live Trane: The European Tours
John Coltrane
価格:¥ 10,823 (Music)
(参考価格:¥ 13,461)
おすすめ度 ★★★★★


このCD7枚組のアルバムには、3度にわたるヨーロッパツアーの間に演奏された曲が収録されている。
そこには、押しも押されもしないジャズ界の大御所になりつつあったコルトレーンの
音楽の変遷をはっきりと見ることができる。
リードにエリック・ドルフィー、ベースにレジー・ワークマンを据えた1961年のツアーでは、
ピアニストのマッコイ・タイナーとドラマーのエルヴィン・ジョーンズとの関係は
すでに強固なものになっていた。

続く62年、63年のツアーでは、タイナー、ジョーンズ、そしてベーシストのジミー・ギャリソンとの
伝説のカルテットが形成された。

また、毎晩のように演奏され、その度に違った形を見せたコルトレーンのお気に入りの曲もたくさん入っている。

「Impressions」は彼の激しいテナー探索への出発点となった曲のひとつ。

「My Favorite Things」は手の届かないところにある幸福、
あるいは躍動する強いエネルギーを引き付けるような、ソプラノの代表曲。

「Mr. P.C.」は彼が取り組んでいたハーモニックなアプローチの数々を疾走感たっぷりに体感させてくれる曲。

さらに、同じ曲を違ったバンド構成で演奏したときのとても興味深いコントラストも発見できる。
初期のグループはずっと流ちょうで、
ドルフィーの編み出した滝のようにフレーズをくりだす奏法に
コルトレーンがことさらに刺激を受けているのには驚く。

珠玉の名作は他にもある。
「Lonnie's Lament」や 「Spiritual」のように
オリジナルの曲にコルトレーンが悲痛で厳粛な空気を吹き込んだものや、
「I Want to Talk About You」のように美しいバラードになったものなどだ。

アルバムはコルトレーンファンに、埋もれていた宝物を探しあてた喜びを与えてくれるだろう。
また、インパルススタジオ時代を補う貴重な音源であり、当時のライヴ演奏の記録でもある。
ここに収録されている演奏を時系列で大きく2つに分けると、
だいたい後半期に属する演奏はパブロCDのシリーズでも聴くことができる。
しかし、前半期のものの多くはこれまできちんとしたレコーディングの記録もなく、
劣悪な音質の海賊盤でしか聴けなかった。

本作は、この偉大な音楽がそれにふさわしい当然の扱いを受けたはじめてのアルバムといえるだろう。
(Stuart Broomer, Amazon.com)

★★★★★モノラルですが、パブロ音源が揃うと、聞き比べが楽しい!
 録音は、残念ながらモノラルです。
しかし、下手なブート盤にはとても及ばない明瞭な音質です。
ノーマン・グランツの肝いりレーベル「パブロ」音源ですから
(パブロとは、絵画収集も趣味だった「Verve」のノーマン・グランツが、ピカソの名前を付けるために、
ピカソに多額な使用料を払い、起こしたレーベルなのです)
従来、バラバラだったアルバムやCDをクロノロジカルに再構成したセットですので、
同曲異演が多く、聞き比べが楽しい(でも、緊張感溢れる曲が多く、集中して聴くと疲れるのも確か!
それだけ壮絶なのです)。
7枚をどのように聴くか、人それぞれですが、同曲を聞き比べるのが非常に面白い!
ジャズの醍醐味ここにきわまれり!というセットです!


★★★★★貴重な記録
このCDで最も貴重なのは1961年のエリック・ドルフィーの参加した演奏だろう。
ドルフィーがフルートで参加した「My Favorite Things」を3種類のバージョンで聴けるのは何よりもうれしい。
私は今までこれらを海賊版LPで聴いていたが、
今回の正式リリースで音質も改善されているのが評価できる。
トレーンのファンはもちろん、ドルフィー・ファン必聴の貴重盤である。

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